第12 回LSI デザインコンテストin 沖縄2009  実施報告書




LSI デザインコンテスト実行委員会


委員名簿

 

  実行委員長 九州工業大学情報工学部電子情報工学科 尾知 博
     審査委員長 琉球大学工学部情報工学科 和田 知久
        委員 九州工業大学情報工学部電子情報工学科 黒崎正行
        委員 琉球大学工学部情報工学科 吉田 たけし

1.名 称「第12 回LSI デザインコンテストin 沖縄2009」

2.日 時 2009年3月19日(木) 13:00〜19:00

3.場 所 沖縄産業支援センター 1F 大ホール
       所在地 那覇市小禄1831−1

4.コンテスト概要

    テーマ: RISCチップ

「LSIデザインコンテストin沖縄」も、今回で12年目を迎えることになりました。1998年に第一回のLSIデザインコンテストが開始された時は、琉球大学工学部情報工学科内部での学生コンテストでしたが、回を重ねるごとに、学外、国外と参加者の枠が広がりました。このコンテストの特徴として、資金はすべて企業や公共団体からのご寄付でまかなわれており、長年の間サポートして頂いた企業・団体の方々には大変感謝しております。昨年度より電子情報通信学会スマートインフォメディア研究会の共催を頂き、また何社かの協賛企業に参加頂き優勝・準優勝の副賞で大変お世話になり、入賞学生達にとってメリット大きいコンテストになりました。


第12回の特徴としましては、何より2008年夏からの世界不況の影響により、多数の企業が協賛を辞退され、資金的に非常事態に陥ったことです。この財務的危機を乗り切るために、10月から企業訪問を繰り返し、お蔭様でザイリンクス社様が不況にも関わらずメインスポンサーに名乗りを上げてくれました。他に、株式会社レイドリクス,東京エレクトロンデバイス株式会社様には継続して協賛頂き、また株式会社レイトロン様には新たに協賛頂けるようになりました。さらに、経済産業省九州経済局外郭団体である九州半導体イノベーション協議会様および沖縄県外郭団体であるフロム沖縄様には継続して支援頂けることになり、何とかコンテストを継続することが可能になりました。ここに協賛各社・各団体様に深く御礼を申し上げます。


第12回コンテストの設計テーマは「RISCチップ」であり、表1に示す大学・高専等から31チーム70名からの応募がありました。内訳は、沖縄県内30名、沖縄県以外の国内28名、海外12名、あわせて31チーム・70名の学生の参加がありました。国外よりバンドン工科大学(インドネシア)、朝鮮大学(韓国)です。事前選考の結果、国外の3チームを含む10チームの代表者を沖縄に招待し発表会を行いました。図1にこれまで12年間の参加学生数の推移を示します。ここ数年は70名前後で、今年度は海外の応募が低調でしたが、国内応募の増加で、ほぼ同数の参加人数を維持しています。表2に今回の最終発表会に参加したチームリストを示します。


琉球大学、沖縄高専、広島大学、会津大学、前橋工科大学、神戸大学、千葉大学、九州工業大学、大分県立工科短期大学校、慶應義塾大学、信州大学、東京工業大学、大阪大学、インドネシアバンドン工科大学、韓国朝鮮大学。

応募者総数の推移は図1に示すとおりです。

                 
Formula1

図1  応募者総数の推移


5.コンテスト審査概要と審査結果

第12回の設計テーマですが、初心に返って、学生向き一般的な内容を目指し、簡単なマイクロプロセッサの設計を行うことにしました。基本課題はたった9個の命令を実行できるマイクロプロセッサです。ただ、何かのプログラム処理ができないと面白くないので、数値列を大きさの順で並べ替えるバブルソートが実行できる程度の命令を含んでいます。

                 
Formula1 Formula1

設計例

事前選考により10チームを選抜し、平成20年3月19日(木)に沖縄・那覇市にある沖縄産業支援センターにて最終発表会および最終審査を行いました。


結果は、以下の通りです。


2008 年から優秀な設計チームに、電子情報通信学会(スマートインフォメディアシステム研究会)や協賛企業からのアワードの贈呈を実施しました。

                 

表2:最終発表会参加チームリスト

Formula1

@ アカデミック的、新奇アイデア的な観点での最高得点を得たチームが 優勝(電子情報通信学会SIS賞)
       に選ばれました。
       受賞チームはTeam Ganesha ANTで、
       Bandung Institute of Technology (ITB), Indonesia
       メンバー: Aisar Labibi Romas
                    R. Siti Intan P
                    Tyson


A 実用設計、産業面応用的な観点での最高得点で 優勝(半導体産業新聞社賞・LSIオブザイヤース
       チューデント版)が選ばれました。
       受賞チームは「東京工業大学吉瀬研究室」で、東京工業大学。
       メンバー:若杉祐太、藤枝直輝、高前田伸


BFPAG等の実装のレベルの観点での最高得点で準優勝(ザイリンクス賞)が選ばれました。
     受賞チームはTeam "Zoiros"
      Bandung Institute of Technology (ITB), Indonesia
      メンバー: Randy Hari Widialaksono
                   Ahmad Fajar Firdaus
                   Iman Prayudi

                 
Formula1

6.【コンテスト審査員】

                所属                            名前
審査委員長 琉球大学                   和田 知久教授
         委員 大阪大学                   尾上孝雄教授
         委員 韓国朝鮮大学             Kang-Hyeon Rhee教授
         委員 バンドン工科大学          Trio Adiono准教授
         委員 沖縄工業高等専門学校 兼城千波 准教授
         委員 九州工業大学             黒崎正行 助教
         委員 琉球大学                   吉田たけお 助教
         委員 半導体産業新聞          津村 明宏
         委員 ザイリンクス(株)           中西 郁雄
         委員 CQ 出版社                 西野直樹

7.主催・共催等

主催:LSIデザインコンテスト実行委員会,九州半導体イノベーション協会、
   共催:琉球大学工学部,九州工業大学情報工学部,特定非営利活動法人フロム沖縄推進機構,
           株式会社沖縄産業振興センター,電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム研究会,
           半導体産業新聞社、
   協賛:ザイリンクス株式会社,株式会社レイドリクス,東京エレクトロンデバイス株式会社,
           株式会社レイトロン
   後援:沖縄県,国立沖縄工業高等専門学校,CQ出版社

8.委員会事務局

九州工業大学情報工学部電子情報工学科尾知研究室内
   デザインコンテスト実行委員会事務

9.コンテスト当日参加人数 125名

10.今後の予定

LSIデザイン・コンテストin 沖縄は来年以降もオープンな形で、また国際的に参加可能な形で、継続してゆく予定です。事前選考されたチームの代表者を沖縄へ招待し、本年同様に参加者全員にオリジナルT シャツを、優勝・準優勝受賞者に賞状と楯を出す予定であり、ハードウエア記述言語用いたLSIの設計に興味ある学生諸君の参加を期待しています。 琉球大学のある沖縄は本土から感覚的に遠く、このようなチャンスで学生・教官の交流を深めることができ、非常に有意義なイベントと考えています。また、多数のアジア諸国(インドネシア、韓国、中国など)からの投稿があり、沖縄が地理的にアジアに近く、今後アジアとの連携を行ってゆくことが非常に重要であるということを体験を通して学べると思います。こうした体験がひいてはアジアにおける半導体産業の振興に寄与すると信じています。沖縄に遊びに来たいという不純な動機も含めて歓迎しますので、参加の奨励をお願いします。