第11回LSIデザインコンテストin沖縄2008

              

●審査結果

  最近では、FPGAやPCと組み合わせたデモを行うチームが増えており、今回の発表会でも暗号化・復号化のデモを多数拝見することができ、大変有意義な発表会でした。設計方針もチームごとで異なり、32ビットのようなデータ幅を大きく超えた512ビットのような処理をスケーラブルにできるように工夫してきたチームもいれば、32ビットに制約し、小規模な回路を設計してきたチームもありました。
  アルゴリズムでは、単純な乗算器・加算器だけチームもあれば、モンゴメリ剰余算を使用し、剰余算の計算時間を短縮したチームも多数ありました。              
  本年度より、協賛企業が多数増加したこともあり、優勝2件、準優勝3件と賞が増加しています。審査では、アイデア・アカデミックな観点での優勝と、実際的な産業応用面での観点で2チームを優勝に選び、インドネシア、バンドン工科大学の2チームがそれぞれの観点で優勝に輝きました。バンドン工科大学は、昨年準優勝で、今年は優勝と飛躍を感じました。準優勝には、広島大学、常連の千葉大学そして、初出場の国立沖縄工業高等専門学校が選ばれました。国立沖縄工業高等専門学校は開校4年目で、一期生の入賞となり今後の活躍に期待がかかります。また、琉球大学情報工学科のVHDL設計を始めてやった学部2年次と3年次チームに学科長奨励賞が贈られました。以下、入賞メンバー紹介します。


  優勝 (電子情報通信学会SIS賞:アイデア・アカデミックな観点)
  インドネシアバンドン工科大学 Garuda Parahyangan Team
  Oky Firmansyah
  Andry Ongkinata
  Bagus Prasetyo W

  優勝 (半導体産業新聞社賞・LSI of the Year for Student:実際的な産業応用面での観点)
  インドネシアバンドン工科大学 team CREW-ITB
  Iput Heri K
  Asep Bagia N
  Randy Saut P

  準優勝(ザイリンクス賞:FPGA等の実装が優れている観点)
  広島大学 チームHamlet-Commune
  鎌田勇紀
  川上賢介
  重本耕司

  準優勝(ルネサス賞:総合的観点で若手)
  国立沖縄工業高等専門学校 チーム 幕の内弁当3箱
  崎原孫周
  伊波慧
  塩崎祐介

  準優勝(シンプリシティ賞:総合的観点)
  千葉大学 チーム ひとり
  田中 慎治郎

  琉球大学情報工学科学科長奨励賞
    @琉球大学 チーム 男女♪
    金城裕、小橋川俊、山内遼史

    A琉球大学 チーム 資本金三十円
    赤嶺博樹、知念栄作
  

●学生部門の入賞の設計概要について
  以下、優勝・準優勝の5チームの設計したRSA暗号デコーダについて概要をご紹介します。

1)優勝(電子情報通信学会SIS賞)Garuda Parahyangan Team

2)優勝(半導体産業新聞社賞・LSI of the Year for Student)team CREW-ITB

3)準優勝(ザイリンクス賞) 広島大学 チームHamlet-Commune

4)準優勝(ルネサス賞)国立沖縄工業高等専門学校 チーム 幕の内弁当3箱

5)準優勝(シンプリシティ賞)千葉大学 チームひとり


4.今後の予定
  LSIデザイン・コンテストin沖縄は来年以降もオープンな形で、また国際的に参加可能な形で、継続してゆく予定です。事前選考されたチームの代表者を沖縄へ招待し、本年同様に参加者全員にオリジナルTシャツを、優勝・準優勝受賞者に楯を出す予定であり、ハードウエア記述言語用いたLSIの設計に興味ある学生諸君の参加を期待しています。
  琉球大学のある沖縄は本土から感覚的に遠く、このようなチャンスで学生・教官の交流を深めることができ、非常に有意義なイベントと考えています。また、特に今回は多数のインドネシア、韓国、中国からの投稿があり、インドネシアと韓国の学生・教官の参加を頂きました。沖縄が地理的にアジアに近く、今後アジアとの連携を行ってゆくことが非常に重要であるということを体験を通して学べたように思います。沖縄に遊びに来たいという不純な動機も含めて歓迎しますので、ドシドシ参加をお願いします。
  なお、このコンテストは、主催: LSIデザインコンテスト実行委員会、社団法人沖縄県情報産業協会であり、共催:琉球大学工学部、株式会社沖縄産業支援センター、特定非営利活動法人フロム沖縄推進機構、九州半導体イノベーション協議会、電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム研究会、半導体産業新聞 主協賛:ソニー・エルエスアイ・デザイン株式会社、協賛:ザイリンクス株式会社、株式会社レイドリクス、東京エレクトロンデバイス株式会社、株式会社ルネサステクノロジ、サイレックス・テクノロジー株式会社、シンプリシティ株式会社、後援:内閣府沖縄総合事務局、沖縄県、国立沖縄高等専門学校、CQ出版株式会社としてサポートされています。この紙面をかりて、共催・主協賛、協賛の各社に感謝を申し上げます。
  最後に表1にコンテスト発表会の参加者を、表2に審査員の一覧をまとめておきます。

表1  発表チームのまとめ

チーム名 メンバー 所属

Garuda Parahyangan (インドネシア) Oky Firmansyah
Andry Ongkinata
Bagus Prasetyo W
バンドン工科大学
(インドネシア)
学部生

神戸大学 佐藤晋也
堀内俊介
神戸大学
修士1年

豊橋技術科学大学 畑 尚志 豊橋技術科学大学
修士1年

MSIC(韓国) Seo Seok ho 朝鮮大学(韓国)
修士1年

ともだち 岡 信博
河野 貴文
伊藤 裕介
大分県立工科短期大学校
学部2年

ひとり 田中 慎治郎 千葉大学大学院
修士1年

幕の内弁当 3箱 崎原孫周
伊波慧
塩崎祐介
国立沖縄工業高等専門学校
4年

Hamlet-Commune 鎌田勇紀
川上賢介
重本耕司
広島大学
修士1年、学部4年

男女♪ 金城裕
小橋川俊
山内遼史
琉球大学工学部情報工学科
学部2年

10

資本金三十円 赤嶺博樹
知念栄作
琉球大学工学部情報工学科
学部3年

11

CREW-ITB(インドネシア) Iput Heri K
Asep Bagja N
Randy Saut P
バンドン工科大学
(インドネシア)
学部生

12

社会人代表 Akihiro Uehara

表2  審査員名簿

所属 名前

審査委員長

琉球大学 和田 知久

委員

大阪大学 松岡 俊匡

委員

韓国朝鮮大学 Kang-Hyeon Rhee

委員

バンドン工科大学 Sarwono Sutikno

委員

沖縄工業高等専門学校 兼城千波

委員

九州工業大学 黒崎 正行

委員

九州産業大学 宮崎 明雄

委員

ソニー・エルエスアイ・デザイン(株) 代田 典久

委員

半導体産業新聞 津村 明宏

委員

(株)ルネサステクノロジ 有本 和民

委員

ザイリンクス(株) 中西 郁雄

委員

シンプリシティ(株) 黒田 成一

委員

(株)ソリトンシステムズ 林 輝彦

委員

CQ出版社 西野 直樹



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